Category Archives: 心療内科

心療科の治療は、患者を全体的にとらえることから始まる

心の病が発生するメカニズムは複雑で、一概にこれが原因だと言えるわけではありません。慢性的なストレスはたしかに人の心を病む理由にはなりますが、それで絶対に発症するともかぎらないのです。

患者さんは「これが病気を起こした原因だ」と思っていても、実は他のことが関係しているというケースもよくあります。そのため心療科の診察ではカウンセリングを大切にするのです。

 

診察では患者さんを全体的にとらえようとします。本人が話したくない場合も含め、話し方やふるまい、表情、治療への姿勢などの全体像を把握しつつ、いま悩んでいる状況にどのようにして陥ったかを理解しようとします。その過程で患者さんの生育歴や家族関係、生活や職業歴などを尋ねられますが、これらは発病前の全体像を理解するために重要な情報なのです。

そうして患者さんのストーリーを知ることで、どういう経緯のなかで現れた病気なのかを知り、治療方針が決められていきます。

 

自分の環境を話すことに抵抗がある方もいるかもしれませんが、話したくないことは話さなくても大丈夫ですし、医師には守秘義務がありますから決して他言することはありません。ありのままを話すことで患者自身が救われることもあるのです。

https://www.michiwaclinic.jp/

愚痴や不満を言わずに我慢している人はいませんか?

ポジティブシンキング! 明るく前向きに生きよう!
このような言葉が辛く感じられることってないでしょうか。

そりゃどんな時も明るく前向きに生きていけたらいいけど、現実はそんなに単純でないのも事実です。愚痴を言いたい時もあるし、誰かの悪態をつきたい時だってあります。しかし真面目な人に限って、上に出てくるような言葉を自分に言い聞かせ、感情を抑えてしまってる。
どちらが正しいというものではありませんが、心理学的にはどちらが望ましいのか、それに対する一つの答えがあるようです。

アメリカで行われた心理学の実験。それはストレスが高いと思われる大学生に日記をつけさせるというもの。ただしこの日記に書かれるのは日頃の鬱憤などのネガティブな感情でした。その後日記をつけたグループとつけていないグループの成績を比較したら、日記をつけていたグループの方が成績がアップしていたというのです。

ネガティブなことを書き出していたのになぜ?と思う方もいるでしょうか。
心理学では「エモーショナル・ディスクロージャー」というのですが、これはマイナス感情を話したり書き出すことで、自分の感情を表現し整理することにつながるからです。

私たちが生きている限り、マイナス感情を持たないことなど不可能でしょう。そしてその気持ちにフタをしたり、ごまかしてしまうのはあまり良い方策とは言えません。私たちの中にあるつらい気持ちや怒りといった感情は、表現し吐出することで癒されるということも事実なのです。

そしてカウンセリングというのは、そんなあなたのあるがままの感情に向き合う場所でもあります。あなたに吐き出すことのできない悩みや問題があるのなら、一度受けてみるのも良いかもしれませんよ。

心療内科はお薬を出すだけではありません、その人全体を診るのです。

「うつ病」に代表されるような精神疾患を患った場合、
病院に行くと薬物で治療することになる。

そんなイメージから心療内科などの診察に
抵抗がある方もいるかもしれません。

確かにその人の症状によってはお薬が必要になる場合もあります。
しかし、すべての人に薬を使うかというとそんなことはありません。

治療には薬物を用いる薬物療法と、
その人の内面に働きかける精神療法とがあり、
症状に適した治療法が選択されます。

精神療法でとりわけ有名なのは
「認知行動療法」ではないでしょうか。

認知行動療法とは、
私たちが普段持つ物事の捉え方(認知)を修正することで、
気持ちや行動を変化させようとする
治療法です。

人は強いストレスのかかった状態やうつ状態が続くと、
考えがマイナス方向に偏りやすくなります。
そこで生じた認知の歪みを改善していくことが目的です。

認知行動療法はただ医師から与えられるのではなく、
医師と患者が一緒に取り組んでいくものです。
その過程で自分の思考の癖が見えてくるようになり、
客観的かつ柔軟な思考ができるようになってくるのです。

しっかりとした医師の元で行われる認知行動療法は、
薬以上の効果をもたらすこともあり、
再発もしにくいとうメリットもあります。

このような精神療法も組み合わせて、
幅広く人間を診ようとするのが心療内科の一面です。
まずは自分の気になる症状を話すだけのつもりで、
心療内科の扉を叩いてみてください。

心療内科に行く前に自分でヒステリー球を治してみる

ヒステリー球という疾患を聞いたことがあるでしょうか。
これはずっと喉の奥に桃の種くらいの塊があるような感じがして、

せきばらいをしてもつばを飲み込んでも
一向に消えない感じがする症状のことをいいます。

ヒステリー球のことを知らない場合、
「喉に何かできものができてしまったのではないか」
「逆流性食道炎にでもなったのではないか」

と内科で内視鏡検査などを行ってもらいますが、
何にも原因が見つからないことがほとんどです。

ヒステリー球の原因は自律神経のバランスの崩れで、
不安時、緊張時や落ち込んだ時、疲れている時に発症します。

ストレスによって食道の筋肉に分布する交感神経の過活動が起こり、
それによって食道の筋肉が緊張して収縮するため、
食堂が締め付けられ喉の異物感や違和感を感じます。

心が原因なので治療には心療内科に通院することが勧められます。

しかしながら心療内科に行く前に、
十分な睡眠をとることや、生活リズムを整えることや、
ストレスの発散などを自分で行ってみて、
それでもダメなら心療内科の精神療法で
サポートしてもらうとよさそうです。